2004/05/14

アウトレットパークに明日はあるのか?

先日も千葉の山中に新しいアウトレットモールがオープンし、現在、首都圏だけでもかなりの数のモールが営業している事になります。実は私も以前から金沢八景にある「三井アウトレットパーク・横浜ベイサイドマリーナ」をよく利用させていただいています。エディバウアー、ナイキ、リーバイス、ミシェルクラン、ユナイテッドアローズなどのショップがあり、自分用や女友達のプレゼントなどに大変重宝しています。またここはヨットハーバーに面したレストランの多くが「犬連れでのテラス利用」が出来る(当然テーブルチェックが可能)ので、犬連れで歩いている私には大変助かる場所です。客層も落ち着いた感じで、リラックスしたショッピングを楽しんでいます。
さて最近、都内の友達とドライブついでに、都下の数件のアウトレットモールを訪れてみて、気になったことがあります。
それは、モール毎の客層の大きな違いとショップ構成の違いについてです。たとえば駅前モールである、「ラ・フェット多摩 南大沢」では、ジャージの上下にサンダル履きの子連れファミリーと、流行の犬種をだっこしたお水系のおばさま達が、通路を歩くのが困難なほどにたむろしている光景は、とても「横浜ベイサイドマリーナ」と同じ三井の経営のモールとは思えない違いです。実際ここのショップ構成は「コーチ」などのファクトリーアウトレットショップもちゃんとそろっているのにも関わらず外の混雑ほどにはショップの中は空いている感じがします。この客層の違いも南町田の「グランベリーモール」になるとモール側も理解しているのか、ファクトリーアウトレットショップはほとんどなく、期待の「REI」も早々に撤退してしまい、GAPにしろコムサイズムにしろ郊外型のショッピングセンターそのものでアウトレットではありません。お客様の構成も、町田あたりの新郊外型ファミリーと派手なバンに乗ってきたヤンママファミリーが目立って増えて、しつけの悪いガキどもとしつけの悪い犬どもが走り回る混沌とした状況になっています。
まあこれだけアウトレットモールが増えれば、もともとちゃんとしたマーチャンダイジングに基づいた適正な品質管理と販売計画をもった大手ブランドメーカーにそれほどアウトレット商品がある訳も無く、十分な商品を各モールに供給する事など不可能な事であるのは自明の事だとおもいます。実際、ショップの中にはこういったアウトレット用にわざわざ商品を開発供給している所が多いのも業界では常識となっているのも事実です。
さらにこれが最初にちょっと書いた千葉のアウトレットモールである「アウトレットコンサート長柄」に至っては、アウトレットと名乗っていても実際にはファクトリーアウトレットショップはほとんどなく、いわゆるリテール型ショップ(つまり駅ビルなんかに入ってるような安めのショップ)を中心にする事を自社のニュースリリースで強調しているわけで、ある意味居直った状況での開業となりました。観覧車や遊園地的な要素を取り入れての構成も、ファミリー狙いとなっていますが、実際はアイスクリームを食べているヤンママ家族ばかりが目立つ状況で、もっと都心に近い場所に「ららぽーと」という強敵がある状態では、若い女性という一番の重要な客層を期待する事はショップ構成や立地条件から見ても難しいとおもいます。
倒産した長崎屋系の僻地型ショッピングセンターと大差ない状態となりつつあるアウトレットモールに十分な収益をあげていける見通しはあまりないと思いながら、ショッピングをしているこのごろです。