2004/05/13

コンビニエンスストアの憂鬱

どこにでもあり、ほとんどの都会生活者にとって生活の中で絶対に必要なものとなった「コンビニエンスストア」ですが、利用者は最近のコンビニには微妙ないらだちを感じているようです。それは「商品が選べない」と「定番が無い」ということです。「コンピニ」の商品は各種商品の人気上位3種類のみが棚に生き残るような苛烈な競争戦略の元に供給されている事は、いまや皆さんもご存知の事でしょう、これが目先を変える自社企画の新商品ラッシュと相まって、「定番無し」と「商品無し」になっている原因であることには異論のないところですが、最近の微妙な不満の増大は実はほかにも原因があるようです。それは最近法改正に伴って多くのコンビニで始まった「酒類の販売」が原因になっているのです。
実際ほとんどの「酒類販売」を行っている店舗では従来に比べて、「飲料」の棚の面積は大幅に減少している事が判るとおもいます。さらにその皺寄せは「ファミリー向けアイスクリーム製品」や「ドッグフード」や「トイレットペーパー」などの雑貨の棚にまで影響を与えています。
コンビニにとって「飲料商品」はもっとも大事な商品であることは、ほとんどの店で店外に自販機を置かないことからも判るとおもいます。お客様は漠然と「飲料」を買いにはいってきますが、結局ほかの商品も購入する事が多いので、入店の十分な動機付けとなる「選択枝」の多さと自分なりのこだわりをもった「商品選択」が難しい現状では、とくに若い女性に不満が多くなってきています。またコンビニで売れる「アルコール飲料」はほぼ缶酎ハイが主流で、買って行く層も独身で単身居住のフリーターを中心とした若い男性が主流で、買って行く本数もせいぜい1〜2本に留まっているのが現状です。まあ単価、利益率ともに既存の商品と大差ないのですが、棚の大きな部分を特定の購買層に限定してしまった現状では、床面積の有効利用が命のコンビニにとって、売り上げ減少の微妙な遠因となっているのが現在の状況です。